かつての大阪の覇者が、同じ舞台で復活の走りを見せてくれました。
今年の夏に開催される世界選手権の代表を決める大阪国際女子マラソンは、
天満屋の重友梨佐選手が2012年以来2回目となる優勝!
まあ今大会出場している日本人選手の中では実績は1番でしたし、
力を出し切れば、いい走りができるんじゃないかと思っていました。
ただ、今年の大阪国際女子マラソンは、重友選手は主役扱いではなくて、
九電工の加藤岬選手や資生堂の竹中理沙選手が注目されていたんです。
逆にこれがプレッシャーにならなくて良かったのかもしれません。
レース序盤は、ペースが遅くてどうなるかと思いましたが、
これは、日本陸連が定めた予定通りのレース展開だったみたいです。
近年、日本人選手は、30キロ以降の後半に置いて行かれるケースが多く、
メダルどころか入賞すらできていないのが現状です。
この現状を何とかしようと日本陸連が定めたレース展開が、
前半ペースを抑えて、後半にスピードアップさせる流れなんです。
世界規模のレースでは、後半に一気にスピードアップする
レース展開が主流になってきているためだとか。
今日も中間点近くまでは、ペースメーカーがレースを引っ張って、
ほぼ予定通りのペースでレースは進んで行きました。
そんなレース展開で国内招待選手が先頭集団を作って走る中、
ひたひたと後方から迫ってきたのが重友選手だったんです。
この時、あれっ? 何だかいつもと違うなと思いました。
なぜなら、今回の大阪国際女子マラソンでの重友選手は、
これまでとは違う走り方に変えていたからなんです。
これまでの重友選手と言えば、序盤から先頭集団を引っ張って行き、
場合によっては、そのまま飛ばして最後まで行く走り方でした。
ところが、今日の走り方は、序盤は先頭集団から少し離された位置にいて、
後半にペースを上げていく走りをしていたんです。
前半抑えて余力十分だった重友選手は、35キロ過ぎに先頭を走っていた
堀江美里選手を捕らえて、並ぶ間もなく一気に突き放しました。
2人のスピードの差は誰が見ても明らかに違っていたので、
この時点で、勝負はついていた感じでしたね。
その後、重友選手は、堀江選手を大きく引き離してそのままゴール。
記録は、2時間24分21秒と目標としていた自己記録
2時間23分23秒に及ばなかったものの、見事な走りだったと思います。
今日の走りは、今までの先行型の重友選手の走り方とは違う
“ニュー重友”誕生といった感じでしたね。
代表決定は、今後の他の選考レースの結果にもよりますが、
夏の世界選手権の代表に選ばれるかもしれません。
復活した重友選手の走りをもう一度世界の舞台で見てみたいですね。